ポプリ
「ごめんねティーダ。ルナはちょっと眠いみたいなの」

「眠いの? おひるねなの?」

「うん」

「そっかぁ」

 納得したティーダは、ルナから離れてリプニーのところへ戻ろうとした。けれどもすぐに何か閃いたようにぱあっと顔を輝かせて、ルナの前に膝をつけて座る。

「じゃあ起きたらあそぼうねー! やくそくだよー!」

 ぽふぽふとルナの頭を優しく叩いて、ティーダはリプニーのところへ戻った。





 その夜。

 ルナはお気に入りのうさぎのぬいぐるみ、権左衛門を抱いて、シオン一家が泊まっているという客間に向かった。

「こんばんは」

 扉を開けて、淑女らしく一礼する。

「おー、ルナ。どうしたこんな時間に」

 シオンとリプニーが不思議そうに彼女を見る。

「おひるに、ティーダがあそぼうって言ったの。だからきました」

「え、今?」

 二人は同時に訊き返した。もう夕食は済んで風呂も入り、一杯飲んでから寝ようかな、と思っていた時間だ。

「……花龍はどうした」

「ははうえは、ちちうえとごかんだんちゅーなので、こっそりきました」

「後で怒られないかなぁ?」

 リプニーは困ったように微笑む。

「ティーダ、いますか?」

「ティーダはねぇ……」

 ちょっと待ってね、と隣の寝室を見に行くと、やはりティーダはもうベッドで休んでいた。

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