ポプリ
麗龍のテンジンライダースーツ(黒)は、実は橘和音監修の橘紫道作だった。どこから情報を仕入れるのかさっぱり分からないが、麗龍が顔を隠してヒーローをやりたいと思ったとき、彼らにそっとスーツを差し出されたのだ。
その上、何か事件が起きたら即座に麗龍へ連絡を入れてくれるという、秘密基地でオペレーターをしている人みたいな役割までしてくれている。
麗龍の就職先の上司たちにも麗龍の正体を知っている人が何人か潜り込んでいて、ヒーロー活動を応援してくれるという徹底ぶり。
何してんの、と突っ込んだら、面白いから、で済まされる。お金持ちとはそんな世界なのだった。
「てめぇ紫道! こりゃどういうことだ! 俺の許可もなく勝手に……てか、何で俺に内緒でユリアに仕事させてんだよっ! 怪我でもしたらどうすんだ!」
「大丈夫です~。これでも私、運動神経には自信があります~」
「屋根から落ちてきたり階段から落ちてきたり道端ですっころんで坂を転げ落ちそうになってたり、前科が多すぎて信じられねぇ!」
「ひどいです~、私だって、やれば出来る子なんです~」
電話の向こうにいる紫道そっちのけでちょっと言い合いをする夫婦。
そこに紫道がにこやかに割って入る。
『あ、大丈夫。麗龍くんにもテンジンライダーの方のスタントマンやってもらうから』
「はあっ?」
『夫婦で一緒に仕事が出来るよ。ふふ、嬉しいだろう?』
「ばっか、バレたらどうすん……!」
だ、と言いかけて、麗龍ははっとユリアを振り返る。
ユリアには内緒なのだ。もうバレているけど、バレてないと信じている麗龍だ。
その上、何か事件が起きたら即座に麗龍へ連絡を入れてくれるという、秘密基地でオペレーターをしている人みたいな役割までしてくれている。
麗龍の就職先の上司たちにも麗龍の正体を知っている人が何人か潜り込んでいて、ヒーロー活動を応援してくれるという徹底ぶり。
何してんの、と突っ込んだら、面白いから、で済まされる。お金持ちとはそんな世界なのだった。
「てめぇ紫道! こりゃどういうことだ! 俺の許可もなく勝手に……てか、何で俺に内緒でユリアに仕事させてんだよっ! 怪我でもしたらどうすんだ!」
「大丈夫です~。これでも私、運動神経には自信があります~」
「屋根から落ちてきたり階段から落ちてきたり道端ですっころんで坂を転げ落ちそうになってたり、前科が多すぎて信じられねぇ!」
「ひどいです~、私だって、やれば出来る子なんです~」
電話の向こうにいる紫道そっちのけでちょっと言い合いをする夫婦。
そこに紫道がにこやかに割って入る。
『あ、大丈夫。麗龍くんにもテンジンライダーの方のスタントマンやってもらうから』
「はあっ?」
『夫婦で一緒に仕事が出来るよ。ふふ、嬉しいだろう?』
「ばっか、バレたらどうすん……!」
だ、と言いかけて、麗龍ははっとユリアを振り返る。
ユリアには内緒なのだ。もうバレているけど、バレてないと信じている麗龍だ。