ポプリ
「なに、これー?」

「え? ……あっ、それは」

 野菊はティアラとネックレスをテーブルに置き、シオンの手にした薄いピンクを取り上げた。そしてそれをジッと見つめた後、真剣な顔でシオンと向き合った。

「ねぇシオン? これとか、こっちのとかと、これ、どれがいいと思う?」

 と、白いドレス──スリットが入っているドレスだったようだ──を捲り上げ、中の下着を見せた。

 これまた素晴らしく面積の少ない布地で、黄色の花があしらわれた愛らしいデザインだった。しかしお尻はほとんど布で覆われていない、まさにハレンチな下着。だからこそ野菊のぷりんとした形の良いお尻が際立っている。

 シオンはじいっと母のお尻を眺め、母の手にしたピンクも眺めた。他のヒラヒラも眺めてみた。

「……うーん、黄色いお花が一番母さんに似合ってるかなぁ」

 にっこりと邪気のない笑顔で答えるシオン。

「そお? やっぱりこれだよね? じゃあシンくんもこれが好きだよね?」

「うん、きっと好きー」

「だよね! よぉし、今日はこれでお仕置きだよ!」

「お仕置き?」

「そう、お仕置き。最近新しい遺跡が見つかって忙しいのはわかるんだけどさ、皇城の遺跡研究院に泊り込んで帰ってこない日が多過ぎる! こんな広いお城で一人で待ってるの寂しいんだから! かわいい野菊ちゃんを放っておいたことを後悔させてやるの!」

 はて、ぱんつでどうやってお仕置きするのだろうか。

 疑問には思ったが、母が御冠なのは分かった。そして自分も父に対して不満があることを思い出した。

「そうだよ、父さん、最近俺のこと迷宮に連れてってくれないんだよ! 宿題終わってないから駄目だって! ひどいよね、 お仕置きだよね、母さん!」

「そうだね、お仕置きだね!」

「だね!」

 ねー、と両手を合わせて微笑み合う母と子。




 そんなハレンチ母子は、帰ってきたお父さんに拳骨で頭ごちーんされました。

 更にシオンが寝た後で、野菊は別なお仕置きもされたようですが、そこは脳内補完でよろしくお願いします。











 破廉恥です(笑)




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