ポプリ
今日も今日とて休み時間は追いかけっこの初等部組。
「花龍~、待ってよぉ~」
「いやぁああー」
ツンツンした杏色の髪の少年が、ふわふわ胡桃色の髪の少女を追いかけるいつもの光景。初等部の児童たちにはもう慣れた光景で、二人の姿を見かけるとみんな避けてくれるようになった。
生暖かい目で見守られながら走り続ける二人は、いつの間にやら中等部校舎までやってきていた。
花龍は大きなお兄さん、お姉さんたちの間をすり抜けるようにして走り、サッと階段下の影に隠れた。そこで息を整えていると、階段を下りてきた一人の女子生徒が目に入った。
姫カットの雀色の髪をさらりと揺らし、颯爽と歩いていくその美少女は。
(あっ……琥珀おねーさま)
花龍の翡翠色の瞳がキラキラと輝く。
琴月琥珀。
中等部二年で生徒会会計を務めている、天神学園でも五本の指に入るであろう美少女剣客。
その凛とした佇まいは男子だけでなく女子の間でも評判で、花龍のクラスメイトにもファンが多く、勿論彼女もファンのひとりであった。
あの姫カットの長い髪が素敵とか、クールな態度が素敵とか、スタイル抜群で素敵とか、いつも腰に差している『夕映』を抜いたときの鋭い瞳が素敵とか、とにかく初等部の児童たちにとって、琴月琥珀は憧れのおねーさまなのだ。
「花龍~、待ってよぉ~」
「いやぁああー」
ツンツンした杏色の髪の少年が、ふわふわ胡桃色の髪の少女を追いかけるいつもの光景。初等部の児童たちにはもう慣れた光景で、二人の姿を見かけるとみんな避けてくれるようになった。
生暖かい目で見守られながら走り続ける二人は、いつの間にやら中等部校舎までやってきていた。
花龍は大きなお兄さん、お姉さんたちの間をすり抜けるようにして走り、サッと階段下の影に隠れた。そこで息を整えていると、階段を下りてきた一人の女子生徒が目に入った。
姫カットの雀色の髪をさらりと揺らし、颯爽と歩いていくその美少女は。
(あっ……琥珀おねーさま)
花龍の翡翠色の瞳がキラキラと輝く。
琴月琥珀。
中等部二年で生徒会会計を務めている、天神学園でも五本の指に入るであろう美少女剣客。
その凛とした佇まいは男子だけでなく女子の間でも評判で、花龍のクラスメイトにもファンが多く、勿論彼女もファンのひとりであった。
あの姫カットの長い髪が素敵とか、クールな態度が素敵とか、スタイル抜群で素敵とか、いつも腰に差している『夕映』を抜いたときの鋭い瞳が素敵とか、とにかく初等部の児童たちにとって、琴月琥珀は憧れのおねーさまなのだ。