ポプリ
その人が目の前を通り過ぎていく。
横顔も綺麗だなぁ……と頬を染めながら眺めていると。
「つっかまーえたぁ」
後ろからぎゅうっと、シオンに抱きつかれた。
「ひゃああっ」
琥珀に見惚れていてシオンの気配に気づかなかった。なんたる不覚、と花龍は自分を叱咤しつつ、意識を集中させる。花龍とシオンの足元に碧色の魔法陣が浮かび上がり、ふわふわの髪が揺れだした。
「ドリアード、その腕(かいな)で彼の者を引き離せ」
愛らしくも凛とした声に魔法陣が反応して光を放つ。その碧色の光に乗って蔦を体に巻きつけた小さな少女が現れた。
《は、はいっ。シオン、花龍から離れてくださいっ》
恥ずかしそうに顔を隠しながらドリアードがそう言うと、魔法陣からいくつもの蔦が伸びてきてシオンの脇腹をくすぐりだした。
「わっ、はひゃっ、くすぐったい~!」
くすぐられてシオンは花龍を放してしまう。その隙に花龍はダッシュで逃げる。
「あっ、待って花龍、別にちゅーとかしないから! ぎゅってするだけにするからぁ~!」
「やぁだあああー」
叫びながら花龍は琥珀の横を通り過ぎていく。
それを追いかけるシオンも琥珀の横を通り過ぎる。
雀色の美しい髪を風に靡かせ、琥珀は小さな子たちの追いかけっこ首を傾げながら眺めていた。
◇
モテモテ琥珀ちゃん。
横顔も綺麗だなぁ……と頬を染めながら眺めていると。
「つっかまーえたぁ」
後ろからぎゅうっと、シオンに抱きつかれた。
「ひゃああっ」
琥珀に見惚れていてシオンの気配に気づかなかった。なんたる不覚、と花龍は自分を叱咤しつつ、意識を集中させる。花龍とシオンの足元に碧色の魔法陣が浮かび上がり、ふわふわの髪が揺れだした。
「ドリアード、その腕(かいな)で彼の者を引き離せ」
愛らしくも凛とした声に魔法陣が反応して光を放つ。その碧色の光に乗って蔦を体に巻きつけた小さな少女が現れた。
《は、はいっ。シオン、花龍から離れてくださいっ》
恥ずかしそうに顔を隠しながらドリアードがそう言うと、魔法陣からいくつもの蔦が伸びてきてシオンの脇腹をくすぐりだした。
「わっ、はひゃっ、くすぐったい~!」
くすぐられてシオンは花龍を放してしまう。その隙に花龍はダッシュで逃げる。
「あっ、待って花龍、別にちゅーとかしないから! ぎゅってするだけにするからぁ~!」
「やぁだあああー」
叫びながら花龍は琥珀の横を通り過ぎていく。
それを追いかけるシオンも琥珀の横を通り過ぎる。
雀色の美しい髪を風に靡かせ、琥珀は小さな子たちの追いかけっこ首を傾げながら眺めていた。
◇
モテモテ琥珀ちゃん。