ポプリ
「これをいつも身に着けているといいよ。そして見るたびに思い出すんだ。今日ここで、僕と語り合ったことを……『廊下を走っちゃだめなんだ』ということを……」
「わああ……ありがとうございます」
「ありがとうウサギ! 花龍とお揃い! やったぁー!」
キーホルダーを受け取って、二人は大喜び。
それを見て、綾小路もどこか満足そうだ。
「それでは僕は他の見回りに行くからね。さらばだよっ!」
しゅたっ、と廊下の曲がり角に消えていく綾小路。花龍とシオンは笑顔で手を振りながらそれを見送った。
廊下の角にて。
「や、やったよお兄様。かわいい子どもたちを危険から守ったよぉ!」
綾小路を後ろから操っていた花は、達成感溢れる笑顔で兄に報告した。
「良くやった花、見事な演技だった」
「えへへ、これも『子どもたちを説得するなら綾小路でやるといいよ』ってアドバイスしてくれたお母様のおかげだねぇ」
「確かに母上の口添えあってのことだが、実際に説得したのは花だ。よくやったな。中学生になって花も成長したということか……」
「えへへぇ、そうかなぁ?」
「ああ」
武は大きく頷いて、花の頭を撫でてやった。生徒会の一員としての役目を果たし、兄に褒められた花は超ご機嫌。
後日。
初等部組は廊下を走ることなく、日々を過ごしていた。
廊下を走ることなく、追いかけっこをしていた。
競歩並みというか、むしろ走ってるのと変わらないんじゃね? ってくらいのスピードで“歩いていた”。
その光景を目撃した花は、持っていた綾小路をポトリと廊下に落とし、固まっていたという……。
◇
「お、お兄様あああああ~!」
花ちゃん涙目。
「わああ……ありがとうございます」
「ありがとうウサギ! 花龍とお揃い! やったぁー!」
キーホルダーを受け取って、二人は大喜び。
それを見て、綾小路もどこか満足そうだ。
「それでは僕は他の見回りに行くからね。さらばだよっ!」
しゅたっ、と廊下の曲がり角に消えていく綾小路。花龍とシオンは笑顔で手を振りながらそれを見送った。
廊下の角にて。
「や、やったよお兄様。かわいい子どもたちを危険から守ったよぉ!」
綾小路を後ろから操っていた花は、達成感溢れる笑顔で兄に報告した。
「良くやった花、見事な演技だった」
「えへへ、これも『子どもたちを説得するなら綾小路でやるといいよ』ってアドバイスしてくれたお母様のおかげだねぇ」
「確かに母上の口添えあってのことだが、実際に説得したのは花だ。よくやったな。中学生になって花も成長したということか……」
「えへへぇ、そうかなぁ?」
「ああ」
武は大きく頷いて、花の頭を撫でてやった。生徒会の一員としての役目を果たし、兄に褒められた花は超ご機嫌。
後日。
初等部組は廊下を走ることなく、日々を過ごしていた。
廊下を走ることなく、追いかけっこをしていた。
競歩並みというか、むしろ走ってるのと変わらないんじゃね? ってくらいのスピードで“歩いていた”。
その光景を目撃した花は、持っていた綾小路をポトリと廊下に落とし、固まっていたという……。
◇
「お、お兄様あああああ~!」
花ちゃん涙目。