ポプリ
 元が同じものだから、惹かれ合う。元の場所に戻りたいと思う。けれども花龍はそれが怖くて、シオンは歓迎している。その違いは本能と理性の現れ方の違いなのかもしれない。

 リィとシンは地球に来るまで、とても近い場所にいたと思う。

 けれども、いつまでも同じではいられないと感じてから、ゆっくりと、時間をかけて離れていった。本人たちも気づかないような、自然な流れで。

「たぶん……もう少ししたら、怖くなくなるよ」

「……本当?」

「うん。もう少し大人になって、花龍が『花龍』であることを、はっきりと認識出来るようになったら」

「……? どういうこと?」

 意味が解らず、こてん、と首を傾げる花龍。

「あなたは『シオン』じゃない。シオンもきっと、『自分と花龍はちがうもの』で、『元には戻らないもの』だって解ったら、もう、無理に追いかけてこなくなるから……だから、心配しないで」

 母の言葉は、花龍には理解出来ないものだった。

 それでも、優しい顔で『大丈夫』と言ってくれる母に、安心することが出来た。

「その時が来たら、きっとシオンは貴女の一番の味方になってくれるから。……仲良くしてあげてね」

「……うん」

 花龍は頷いた。

 従兄妹として。友人として。そして魂の共有者として。

 いつか仲良くなることをイメージしてみると、自然と顔が綻んだ。










 違うものだと認識してからは、別の執着に変わるんだけれどね……(´;ω;`)ウゥゥ


 シンとリィの裏設定で、フェイレイとリディルが生み出した魂が、ひとつには収まりきらないほどの強大なものになってしまったから分裂して双子として生まれた、というのがあります。だから二人は、離れていても同じ運命を辿ります。

 シオンと花龍にもその影響が出ているのかも。






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