ポプリ
「その一、半径一メートル以内には近づかないこと。その二、追いかけてこないこと。その三、ぎゅーとかちゅーとかしないこと。以上を守っていただけたら、シオンと仲良くできそうです」
「……質問です」
「はい、なんですか」
「席替えで隣の席になったらどうしたらいいですか」
「う……。そ、その場合は特例としてきょかします。でも、私の領域を侵さないでください」
「んー、はい、分かりました。じゃあ、遠足のときとか、先生に手を繋いで歩きなさいって言われたらどうしますか」
「……て、手を繋いで歩くだけならきょかします」
「じゃあ、あともうひとつ。ずっと見ているだけならいいですか」
「……不快にならない程度ならきょかします」
「……お話は、してくれるんだよね?」
「お約束を守ってくれたら、きょかします」
「んー、じゃあいいよ。分かった。花龍との約束守る!」
にぱっと笑うシオンに、花龍はほっとして笑みを浮かべた。
「じゃあ、しっかりとお約束を守ってね。仲良くしようね。よろしくお願いします」
「うん、分かった! よろしくお願いします!」
にこにこ微笑み合った二人は、お行儀よく頭を下げあった。
そこに、パンパンと手が鳴る。
「はーい、シオンくんに花龍ちゃん、授業が始まりますよ、席についてください」
初等部の教師、丹下小夜先生の登場に、他のクラスメイトたちが自分の席へと移動している。シオンと花龍もそれに倣っていそいそと自分の席に戻っていった。
小夜先生はその光景を微笑ましそうに見ていた。
◇
初等部組、これにて一件落着。
「……質問です」
「はい、なんですか」
「席替えで隣の席になったらどうしたらいいですか」
「う……。そ、その場合は特例としてきょかします。でも、私の領域を侵さないでください」
「んー、はい、分かりました。じゃあ、遠足のときとか、先生に手を繋いで歩きなさいって言われたらどうしますか」
「……て、手を繋いで歩くだけならきょかします」
「じゃあ、あともうひとつ。ずっと見ているだけならいいですか」
「……不快にならない程度ならきょかします」
「……お話は、してくれるんだよね?」
「お約束を守ってくれたら、きょかします」
「んー、じゃあいいよ。分かった。花龍との約束守る!」
にぱっと笑うシオンに、花龍はほっとして笑みを浮かべた。
「じゃあ、しっかりとお約束を守ってね。仲良くしようね。よろしくお願いします」
「うん、分かった! よろしくお願いします!」
にこにこ微笑み合った二人は、お行儀よく頭を下げあった。
そこに、パンパンと手が鳴る。
「はーい、シオンくんに花龍ちゃん、授業が始まりますよ、席についてください」
初等部の教師、丹下小夜先生の登場に、他のクラスメイトたちが自分の席へと移動している。シオンと花龍もそれに倣っていそいそと自分の席に戻っていった。
小夜先生はその光景を微笑ましそうに見ていた。
◇
初等部組、これにて一件落着。