ポプリ
「んだべ! あっ、ケーキもあった! ケーキも食うべ、クー!」
シルヴィはケーキを取り分けてもらい、皿に乗ったそれを一口で流し込む。可憐な外見とはあまりにもかけ離れた健啖家ぶり。
その小さな口のどこに入るのだろう、と周りが不思議に思っていると、彼女はもう一つの手に持った皿を、クードの口……というか顔面に叩き付けた。
「どうだクー! ケーキも甘くてうめぇべ?」
にっこにこの笑顔で訊ねるシルヴィ。
ものっすごく無表情の怖い顔に白いクリームをべっとりつけて、見守る周囲をハラハラさせている魔族の青年は、ペロリと舌を出して。
「…………ああ」
やはり何事もなく頷いたのだった。
クードはシルヴィに紹介される人々を眺める。
悪魔に、人狼に、妖怪に、魔女に、龍。そして、人間。
他にも色んな種族の者たちがここにはいて、笑顔で言葉を交わしている。中にはいきなり喧嘩を始める者もいて、全ての者が和やかにとはいかないようだが、そこには憎しみや哀しみといった負の感情は存在しなかった。
『俺たちは仲良く出来るよ』
そう言って笑った赤い髪の友人の姿が脳裏を過ぎる。
シルヴィはケーキを取り分けてもらい、皿に乗ったそれを一口で流し込む。可憐な外見とはあまりにもかけ離れた健啖家ぶり。
その小さな口のどこに入るのだろう、と周りが不思議に思っていると、彼女はもう一つの手に持った皿を、クードの口……というか顔面に叩き付けた。
「どうだクー! ケーキも甘くてうめぇべ?」
にっこにこの笑顔で訊ねるシルヴィ。
ものっすごく無表情の怖い顔に白いクリームをべっとりつけて、見守る周囲をハラハラさせている魔族の青年は、ペロリと舌を出して。
「…………ああ」
やはり何事もなく頷いたのだった。
クードはシルヴィに紹介される人々を眺める。
悪魔に、人狼に、妖怪に、魔女に、龍。そして、人間。
他にも色んな種族の者たちがここにはいて、笑顔で言葉を交わしている。中にはいきなり喧嘩を始める者もいて、全ての者が和やかにとはいかないようだが、そこには憎しみや哀しみといった負の感情は存在しなかった。
『俺たちは仲良く出来るよ』
そう言って笑った赤い髪の友人の姿が脳裏を過ぎる。