ポプリ
「──シルヴィ」
「なんにゃ~?」
サンドイッチを頬張りながら振り向くシルヴィに、クードは訊ねる。
「この星の、何が一番好きだ」
「ん~?」
シルヴィはサンドイッチをごくんと飲み込んだ。
「色だ」
「……色」
「んだ。この星の色は、父ちゃんの目の色と同じなんだよ」
深い、深い、底知れぬ慈愛を秘めた青の色。
永久(とこしえ)の闇の中にあっても、輝き続ける力強い瞳。
それを思い出したクードの口元に、微かに笑みが広がった。
「そうか」
(お前が見る夢は、ここにあるのか)
ミルトゥワは人と魔族との間に講和条約が結ばれ、一見平和である。
けれどもあらゆる場所で火種が燻っている。クードやシルヴィたちラルク隊員は、際限なく現れる火種を消し続けなければならない。
それでも、赤髪の勇者は諦めていない。
彼が理想とした世界の縮図が、ここにあるから。
◇
クードはシルヴィの保護者。
「なんにゃ~?」
サンドイッチを頬張りながら振り向くシルヴィに、クードは訊ねる。
「この星の、何が一番好きだ」
「ん~?」
シルヴィはサンドイッチをごくんと飲み込んだ。
「色だ」
「……色」
「んだ。この星の色は、父ちゃんの目の色と同じなんだよ」
深い、深い、底知れぬ慈愛を秘めた青の色。
永久(とこしえ)の闇の中にあっても、輝き続ける力強い瞳。
それを思い出したクードの口元に、微かに笑みが広がった。
「そうか」
(お前が見る夢は、ここにあるのか)
ミルトゥワは人と魔族との間に講和条約が結ばれ、一見平和である。
けれどもあらゆる場所で火種が燻っている。クードやシルヴィたちラルク隊員は、際限なく現れる火種を消し続けなければならない。
それでも、赤髪の勇者は諦めていない。
彼が理想とした世界の縮図が、ここにあるから。
◇
クードはシルヴィの保護者。