雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
 早速禁煙席のボックスシートを陣取った新太達四人は、ドリンクバーへと向かい、それぞれドリンクを手に席に戻る。


「こないだ彼女とちょっともめちったぁ」


「お? どした?」


 彼女の話で盛り上がるクラスメイトを羨ましく思いながらも、新太は冷やかして話の輪に入った。


「それがさぁ、俺のラインの文章が素っ気ないみたいな」


「あー、女ってそういう事言うよな!」


「なんなんだよ、素っ気ないって」


「スタンプだけで会話するなとか言うんだけど、正直面倒くせーじゃん?」


「だよな。スタンプで十分会話成立するし」


「しかも笑えるスタンプじゃなくて、可愛いスタンプにしろとか言うんだよ」


 うぜー! と盛り上がる三人。新太は、あの子はラインしてるのかな? どんなスタンプを使うんだろう? などと想像して、心ここにあらずだ。
< 134 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop