雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
部活を終えた千咲希が生徒玄関で靴を履き替えていると、そこに見知った顔がひとりでやって来た。
「たっくんも今帰り?」
声をかけた千咲希をスルーして、匡たすくは一年の下駄箱スペースへと向かう。ちなみに下駄箱は学年毎になっていて、校舎側からむかって、三年、二年、一年の順だ。
「野球部、雨でも遅くまで練習してるんだねー」
下駄箱を挟みながら、千咲希は更に大きな声で話しかけてみる。絶対聞こえているはずなのに、匡からの返事はない。先に靴を履き替えていた千咲希は、玄関側から匡のいる下駄箱スペースを覗き込んだ。
「話しかけてるのに、シカトはあんまりじゃない?」
「『たっくん』とか呼ぶなっつっただろ」
「なぁんだ。照れてるだけか」
「は?誰がっ」
ムキになる匡がおかしくて、千咲希は小さく吹き出す。
「たっくんも今帰り?」
声をかけた千咲希をスルーして、匡たすくは一年の下駄箱スペースへと向かう。ちなみに下駄箱は学年毎になっていて、校舎側からむかって、三年、二年、一年の順だ。
「野球部、雨でも遅くまで練習してるんだねー」
下駄箱を挟みながら、千咲希は更に大きな声で話しかけてみる。絶対聞こえているはずなのに、匡からの返事はない。先に靴を履き替えていた千咲希は、玄関側から匡のいる下駄箱スペースを覗き込んだ。
「話しかけてるのに、シカトはあんまりじゃない?」
「『たっくん』とか呼ぶなっつっただろ」
「なぁんだ。照れてるだけか」
「は?誰がっ」
ムキになる匡がおかしくて、千咲希は小さく吹き出す。