雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
それはなんらいつもと変わらない昼休みに思えた
昼休みの三年六組の教室で、律樹は窓際の席に目をやった。すでに昼食を食べ終えた悠李はスマホに夢中で、律樹も特大の弁当箱に蓋をする。
視線の先には、那子と夏成実。二人はいつの間にか机を向かい合わせにくっつけて、弁当を食べる仲になっていた。
那子が保健室登校から教室へと戻ってきたゴールデンウィーク明けには、誰とも話をしていなかったのに、何があったのだろうか。那子と夏成実が相性が良さそうには思えない。
「なぁ」
律樹が声を掛けると、悠李はスマホを忙しく操作したまま、「んー?」と答えた。
「バイト中、桜川としゃべったりする?」
「え?」
ようやく顔を上げた悠李が、驚いたように律樹を見る。
「何、いきなり」
「いや、俺もそんなしゃべった事ないんだけどさ」
「律の口から、女の名前が出るなんて珍しいじゃん?」
そう言われると、律樹自身もそうだったかと、ふと顎に手を当てて考え込むポーズになる。
「ってか、なんで桜川? あいつに興味でもあんの?」
スマホを机に置くと、悠李はニヤニヤしながら身を乗り出してきた。
視線の先には、那子と夏成実。二人はいつの間にか机を向かい合わせにくっつけて、弁当を食べる仲になっていた。
那子が保健室登校から教室へと戻ってきたゴールデンウィーク明けには、誰とも話をしていなかったのに、何があったのだろうか。那子と夏成実が相性が良さそうには思えない。
「なぁ」
律樹が声を掛けると、悠李はスマホを忙しく操作したまま、「んー?」と答えた。
「バイト中、桜川としゃべったりする?」
「え?」
ようやく顔を上げた悠李が、驚いたように律樹を見る。
「何、いきなり」
「いや、俺もそんなしゃべった事ないんだけどさ」
「律の口から、女の名前が出るなんて珍しいじゃん?」
そう言われると、律樹自身もそうだったかと、ふと顎に手を当てて考え込むポーズになる。
「ってか、なんで桜川? あいつに興味でもあんの?」
スマホを机に置くと、悠李はニヤニヤしながら身を乗り出してきた。