雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
その頃、那子と夏成実は、悠李と帆鷹がバイトするファミレスで、英語のテキストを広げていた。那子は英語を得意とする夏成実と一緒にテスト勉強をする事にしたのだが、まさか自分のバイト先でするハメになるとは思ってもいなかった。
場所を決めたのは、もちろん夏成実だ。その夏成実いわく、図書館の様な静かすぎる場所より、ファミレスやファストフード店の方が落ち着くらしい。それはわからなくもない那子だったが、バイト先のファミレスに客として来るのは初めてで、何となく落ち着かない那子がいた。
ランチやディナーでもない時間帯と、週始めなのも手伝ってか、店内は空いている。ゆったりと流れる空気の中、いまいち集中出来ない那子が、小さな溜め息とともにペンを置いた。そんな那子の向かいに座る夏成実は、テーブルに両肘をつき、手の上に顎を乗せ、目をハートにして誰かの姿を追っている。
さり気なく那子がその視線を辿ると、レジ横に立って、何やら談笑している悠李と帆鷹がいた。
場所を決めたのは、もちろん夏成実だ。その夏成実いわく、図書館の様な静かすぎる場所より、ファミレスやファストフード店の方が落ち着くらしい。それはわからなくもない那子だったが、バイト先のファミレスに客として来るのは初めてで、何となく落ち着かない那子がいた。
ランチやディナーでもない時間帯と、週始めなのも手伝ってか、店内は空いている。ゆったりと流れる空気の中、いまいち集中出来ない那子が、小さな溜め息とともにペンを置いた。そんな那子の向かいに座る夏成実は、テーブルに両肘をつき、手の上に顎を乗せ、目をハートにして誰かの姿を追っている。
さり気なく那子がその視線を辿ると、レジ横に立って、何やら談笑している悠李と帆鷹がいた。