雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
 新太と別れて電車を乗り換えた伊万里は、さっきまでの出来事がまだ信じられない気持ちでいた。

 まさか、自分が男子と二人でファストフード店に入るなんて。まさか男子とLINE交換するなんて。こんな事が今世紀中に起こると思わなかった。

 萌果が知ったら引っくり返るかも知れない。想像すると、思わず笑ってしまいそうになる。萌果にはまだ秘密にしておこうと思った。

 新太には、自分もまた会いたいと思っていた事は、恥ずかしくて言えなかったけれど。伊万里としては、Fateの話が出来る仲間に出会えた事が純粋に嬉しかった。
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