雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
ソーダ水の泡の様にその想いは弾けた
 カシャン――。

 真新しいタイムカードを押し、那子はバイト先の女子更衣室に入った。

 カレンダーは今日から八月。五月にバイトを始めて、気付けば三ヶ月が経っていた。厨房の調理補助だけでなく、今ではホールに出る事もある。最初はおぼつかなかった接客もハンディ操作も、随分スムーズにこなせる様になった。

 今は夏休みという事もあり、人手が足りない時はランチタイム前からディナー終了までシフトを入れている。それは那子に限らず、悠李や帆鷹も同じだった。
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