雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「桜川の進路って大学?」


 悠李の問い掛けで、我に返る。


「えっ? アタシが大学なんて受験するわけないじゃん」


「じゃあ、専門とか?」


「まぁ、そんなとこ」


「ふーん。何の?」


「……まだ決めてない」


 美容師の専門学校に行きたいと考えていた那子だったが、まだ誰にも言った事がない事もあって、そんな言葉で誤魔化した。
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