雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「アタシ、バスケ部なんですけど、バスケ部って江坂先輩ファン多いんですよー」


「それはどうも」


「いえいえ。どういたしまして」


 調子に乗る穂香に、はらはらする千咲希。あまりに対照的すぎる二人がおかしくて悠李は笑った。


「それじゃあ、ごゆっくり」


 悠李は二人のテーブルを離れると、バックヤードに戻ってウォーターポットを定位置に置く。そこにたまたまやってきた帆鷹の脇腹を悠李が肘で小突いた。


「なんすか、いきなり」


 敏感に反応して身をよじった帆鷹に、悠李は悪戯な冷やかしの眼差しを向ける。
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