雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「強いて言うなら、目かな」


「目……」


 しみじみとオウム返しする帆鷹。


 千咲希には彼氏がいるという事もあり、穂香の気持ちを察知した悠李は、悪戯に笑いながら言った。


「帆鷹と穂香ちゃん、案外似合うと思うけど?」


「いきなり何でそういう話になるんすか?」


 そんな会話の途中、レジを呼ぶベル音がして、悠李は急いでレジへと向かう。その背中を見送りながら、帆鷹は小さな溜め息をついた。
< 245 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop