雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「その日、俺もちょっと入れなくて、人が足りないんだよね。クラスメートのよしみで、帆鷹の事、助けてやってくんない?」


「助けるって言っても……ファミレスのバイトなんてした事ないし……」


「食器洗いや簡単な調理補助だから大丈夫。もしわからない事があっても、帆鷹が全部教えてくれるから」


 悠李の最後の言葉が決め手となって、穂香の心から一瞬にして迷いが消える。


「や、やります!」


 つい前のめりで言ってしまった事に気付いて、めちゃくちゃ恥ずかしくなった穂香は、歯切れ悪く補足した。
< 248 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop