雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「あーあ、行きたかったなぁ……花火大会」
自室でスマホを触りながら新太はひとり呟いた。花火大会には行くのだが、問題はそこではない。
さっきから何度も見ている、伊万里とのLINEトーク画面。勇気を振り絞って『花火大会、一緒に行かない?』と誘ってみたが『その日、予定があって朝から出かけるんです。ごめんなさい』とあっさり断られた。
自他共に認めるお祭り男の自分が、伊万里に振られたからと言って花火大会に行かない訳はない。クラスの友人二人を誘って、男三人で繰り出す事にした。
他の二人はナンパ目的で浮かれているが、新太はそんな気持ちになれなかった。今までの自分なら、率先して女の子に声をかけるタイプだったのに。
どこにいても、何をしていても、伊万里の事を考えてしまう。そんな気持ちを誰かに聞いてほしくて帆鷹にLINEしたが、既読スルーされていた。
自室でスマホを触りながら新太はひとり呟いた。花火大会には行くのだが、問題はそこではない。
さっきから何度も見ている、伊万里とのLINEトーク画面。勇気を振り絞って『花火大会、一緒に行かない?』と誘ってみたが『その日、予定があって朝から出かけるんです。ごめんなさい』とあっさり断られた。
自他共に認めるお祭り男の自分が、伊万里に振られたからと言って花火大会に行かない訳はない。クラスの友人二人を誘って、男三人で繰り出す事にした。
他の二人はナンパ目的で浮かれているが、新太はそんな気持ちになれなかった。今までの自分なら、率先して女の子に声をかけるタイプだったのに。
どこにいても、何をしていても、伊万里の事を考えてしまう。そんな気持ちを誰かに聞いてほしくて帆鷹にLINEしたが、既読スルーされていた。