雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
 翌日。
 
 ゴールデンウィーク初日のどこか浮き立つ人波の中、那子はひとりバイトの面接へと向かっていた。

 学校からほど近いファミレス。勿論ホールスタッフではなく、飽く迄キッチンスタッフ希望。裏方の仕事なら、学校が近くても、まず人目を気にする事なくバイトが出来る。

 十五時の面接時刻より二十分も前に着いてしまった那子だったが、遅れるよりは遥かにマシだと思い、躊躇いながらも、その店の扉を開けた。ドアチャイムが鳴り響き、那子にちょっぴり緊張が走る。


「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」


 駆け寄って来た年配の女性ホールスタッフに訊ねられ、那子は急いで説明した。


「いえ、あの、バイトの面接に来た者ですが……」
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