雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「あー、面白かったね!」


 場内が明るくなると、夏成実は功に笑顔で言った。


「字幕は読むの疲れる」


「あ、そっかぁ。ごめんごめん」


 ケラケラ明るく笑う夏成実に、功は呆れ顔だ。


「アタシはやっぱ字幕じゃなきゃダメなんだよね。吹き替えだと、意訳され過ぎてて」


 そこで功は、疑問を感じた。


「英語、わかんのかよ?」


 どうせわかりもしないくせに、と思っていた功だが、夏成実は得意気にフフンと笑みを浮かべた。
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