雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
 バイトをするとなれば、嫌でも悠李と顔を合わす事になる。バイトをしなければ、悠李に秘密をばらされる。何より一番最悪なのは、バイトをしたにも関わらず、悠李に秘密をばらされる事だ。

 外見上から判断すると、悠李にはその可能性が大いにありそうだった。一見、モテ風のチャラ男。そんな悠李を安易に信用出来るわけもなく、那子は迷いに迷っていた。


「アンタの事、全く信用出来ないんだけど」


「そんなに信用ないなんて心外だなぁ。じゃあ、これでどう?」


 悠李は何を思ったのか、ポケットからスマホを取り出して操作すると、それを那子の目の前に置いた。
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