雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
翌日。学校へと向かいながら、気付けば那子は律樹の姿を探していた。電車の中、駅、駅から学校までの道のり……。もしかしたらいるかも……なんて考える日ほど、会えないもので。結局、その姿を見つける事が出来ないまま、学校の正門を抜けた。
生徒玄関で那子が靴を履き替えていると、不意に後ろから押され、バランスを崩してよろめいた。顔をあげた那子の目に、クラスの女子数人が映り、こちらを見てクスクスと悪意のある笑みを浮かべている。
「那子、おはよ~」
そこに夏成実がやって来た事で、クラスの女子達はそのまま校舎へと入って行った。
「おはよ」
那子は何事もなかった様に、夏成実を振り返って言う。夏成実が知れば、相手に文句のひとつも言いかねない。これ以上、夏成実を巻き込みたくはないと思う那子は、その場を取り繕う様に急いで話を振った。
生徒玄関で那子が靴を履き替えていると、不意に後ろから押され、バランスを崩してよろめいた。顔をあげた那子の目に、クラスの女子数人が映り、こちらを見てクスクスと悪意のある笑みを浮かべている。
「那子、おはよ~」
そこに夏成実がやって来た事で、クラスの女子達はそのまま校舎へと入って行った。
「おはよ」
那子は何事もなかった様に、夏成実を振り返って言う。夏成実が知れば、相手に文句のひとつも言いかねない。これ以上、夏成実を巻き込みたくはないと思う那子は、その場を取り繕う様に急いで話を振った。