雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
昼休みになり、那子と夏成実は屋上でお昼を食べる事にして、那子は購買で買ったパンや飲み物、夏成実は持参したお弁当をそれぞれ広げる。
「それで? 何があったの?」
待ちきれないと言わんばかりに、夏成実が那子を急かした。
「花火大火に……行ったの」
「誰と?」
「……今宮……と」
「えっ? 今宮くん!?」
声を張り上げた夏成実に、那子が「シーッ」とジェスチャーで訴える。夏成実もすぐに理解して、小声で那子に訊いた。
「今宮くんが誘ってきたの?」
「うん」
「それで? それで?」
「それだけ……」
「『それだけ』!? 付き合おうとか、言われたんじゃないの?」
「言われてない。だから、何でアタシの事、誘ったのかなーって……」
「って事は……。那子は今宮くんの事が、好きって事だよね?」
確認する様に夏成実に訊かれ、那子は小さく頷いた。
「それで? 何があったの?」
待ちきれないと言わんばかりに、夏成実が那子を急かした。
「花火大火に……行ったの」
「誰と?」
「……今宮……と」
「えっ? 今宮くん!?」
声を張り上げた夏成実に、那子が「シーッ」とジェスチャーで訴える。夏成実もすぐに理解して、小声で那子に訊いた。
「今宮くんが誘ってきたの?」
「うん」
「それで? それで?」
「それだけ……」
「『それだけ』!? 付き合おうとか、言われたんじゃないの?」
「言われてない。だから、何でアタシの事、誘ったのかなーって……」
「って事は……。那子は今宮くんの事が、好きって事だよね?」
確認する様に夏成実に訊かれ、那子は小さく頷いた。