雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「何?」


「『何?』って……。俺の携帯番号だけど」


「誰もアンタの携番なんて訊いてないし」


「誰にも教えた事ないし」


「意味わかんない」


「だから、これが俺の秘密って事。もし俺が桜川の秘密をばらす様な事があったら、この携番ところかまわず漏洩していいよ」


 上手く丸め込まれた気がすると思いながらも、那子は悠李の携帯番号を自分のスマホに登録した。


「って、事で。履歴書に書いてある桜川の携番、俺も登録させてもらおっ」


「なんでそうなるわけ!?」


「バイト一緒にやるとなると、お互い知ってた方が便利じゃん?」
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