雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
 その頃、まったく別の場所で買い物をしていたのは帆鷹と新太。穂香や千咲希同様、修学旅行が近いとあって、新太から誘い、帆鷹はそれに付き合わされる形となった。


「修学旅行だからって、そんな買う物あるわけ? 女子じゃあるまいし」


「いろいろあんだよ、女子じゃなくたって」


 面倒くさそうに言う帆鷹に反論する新太だが、買った物はまだTシャツ一枚だ。

 旅行には出来るだけ身軽で行きたいと思っている帆鷹は、これと言ってあまり買いたい物はない。


「俺、修学旅行とか、行かなくていいんなら行かない派」


 帆鷹が不意にそんな事を言い出したので、新太は本気で驚いた。


「マジで!? 修学旅行に行きたくねーヤツなんているの?」


「いるだろ、ここに」
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