雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
程なくして、息を切らして走って来た穂香は、帆鷹の姿を見て足を止めた。千咲希は穂香に駆け寄り、その日焼けした細い腕を取る。
「穂香、交番行ってみよ! もしかしたら財布届いてるかも」
「あ、うん……」
頷きながらも、穂香は帆鷹の方を気にしている。
「交番、見つかった。向こうだ」
そう言って帆鷹は歩き出した。千咲希は慌てて、穂香の手を引っ張り着いていく。
「どうして、九条が……」
「ごめん、さっきバッタリ会って。思わず言っちゃったんだ。そしたら九条くんが、交番に行こうって」
「そうなんだ……」
半ば放心状態の穂香は、先を歩く帆鷹の背中を見つめる。どうして帆鷹が? 野原絵里奈は?
何も聞けないまま、穂香は千咲希に手を引かれ県庁前の交番を目指し歩き始めた。絵里奈はそれを見送ると、諦めたように小さくため息をつきスマホを手にした。
「穂香、交番行ってみよ! もしかしたら財布届いてるかも」
「あ、うん……」
頷きながらも、穂香は帆鷹の方を気にしている。
「交番、見つかった。向こうだ」
そう言って帆鷹は歩き出した。千咲希は慌てて、穂香の手を引っ張り着いていく。
「どうして、九条が……」
「ごめん、さっきバッタリ会って。思わず言っちゃったんだ。そしたら九条くんが、交番に行こうって」
「そうなんだ……」
半ば放心状態の穂香は、先を歩く帆鷹の背中を見つめる。どうして帆鷹が? 野原絵里奈は?
何も聞けないまま、穂香は千咲希に手を引かれ県庁前の交番を目指し歩き始めた。絵里奈はそれを見送ると、諦めたように小さくため息をつきスマホを手にした。