雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
 波の上ビーチのテラスでトロピカルドリンクを飲み、三人でなんという事もない話をして過ごした。

 野原絵里奈との関係も誤解だった事がわかり、帆鷹の機転で財布も早く見つかった穂香は、ずっとニコニコしている。


「夜はホテルでバイキングだよね?」


「うん、そうだね」


「楽しみー! 鉄板焼きもあるって!」


「食べ過ぎちゃいそう」

 
 そんな女子二人の会話を聞いていた帆鷹が、ポツリと呟いた。


「女子って、ほんと食べるの好きだよな」


「なんで? 食べるの嫌いなの?」


 穂香の質問に、帆鷹はうーんと唸る。


「嫌いな訳じゃないけど……そこまで熱くはならない」


「でも、九条が連れてってくれたラーメン屋はめちゃくちゃ美味しかったよ?」


「あそこは人に教えてもらった店だし」


 マンゴージュースをストローで飲みながら、千咲希は二人の様子を観察する。
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