雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
 それから三人で他愛無い話をしていると、ほどなく息を切らして新太がやってきた。


「何だよお前ら。行くなら行くで、俺も誘えって」


「結果的に誘ったんだからいいだろ」


 新太と帆鷹の間に、千咲希が割って入る。


「北浜くん、走って喉乾いたんじゃない? 取り敢えず何か買ってくれば?」


「確かに。すげー喉乾いた」


「私も一緒に行くよ」


 穂香と帆鷹を少しでも二人にしてあげようと思い、千咲希は新太についてその場を離れた。


「帆鷹のやつ野原絵里奈に誘われたとか言ってたのに、何で穂香と長原が、帆鷹と一緒にいるんだ?」


 不思議顔で新太に訊かれ、千咲希はこれまでの経緯を簡単に説明した。
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