雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「でもね……彼女いるみたいなんだ」


「そっか……。けどさ、幼馴染なんだろ?」


「うん」


「考え方は人それぞれだけどさ、俺なら気持ち伝えてスッキリしたいかな。それが一歩踏み出したり、気持ちを切り替えたりするきっかけになるかもだし。彼女がいるとかいないとか関係なしに、長原の気持ちを伝えるのは、悪い事じゃないんじゃね?」


 新太にそう背中を押され、千咲希も何だか心が軽くなったような気がした。このモヤモヤとした気持ちをどうにかする為には、その気持ちを打ち明ける以外に方法がないのかもしれない。


「北浜くん、ありがと。色々聞いてもらったら、何かちょっとスッキリした」


「俺も。ちょっと自分に自信持てた気がする」


 千咲希と新太は、お互い顔を見合わせると笑った。
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