雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「千咲希と新太、二人していったいどこまで飲み物買いに行ってたの?」


 からかいながら笑った穂香に、千咲希は意味深なアイコンタクトを送る。


「これから俺達、ちょっと国際通りで買い物してホテル戻るから、帆鷹と穂香は適当に時間潰してホテル戻れよな」


「今来たばっかりで、結局すぐまた行くのかよ」


 呆れる帆鷹の肩に、新太はポンと片手を置いて言った。


「買い物疲れしてる奴を疲れさせない為の優しさだ」


「って事で、九条くん、穂香の事宜しくね」


「財布落とさない様にだけ見張っとく」


 帆鷹の返しに、穂香は頬を膨らませて抗議する。


「ちょっと、何それー」


「だってそうだろ」


 言い合う二人を残し、新太と千咲希は国際道りへと向かった。
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