雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
相変わらずスマホをいじっている悠李の背中を夏成実はツンツンと指で突いた。そこでようやく悠李は振り返ると。
「奥ゆかしき日本の美って言葉、覚えた方がいいってこ・と」
語尾のリズムで夏成実の頭をぽんぽんと二回叩き、またすぐに前を向いてスマホをいじり出す。
悠李との話の切れ間、夏成実は不意に視線を感じて顔を向けると、右隣の那子と目が合った。ヤンキーと言われる那子と目が合って、一瞬ドキッとした夏成実だったが、睨むというよりどこか気まずい感じで、それは那子の方から逸らされた。
ちょうどそこに昼休みを告げるチャイムが鳴って、那子はどこへ行くのか、そそくさと教室を出て行く。その後ろ姿を見送るでもなく見送って、夏成実は小首を傾げた。
「奥ゆかしき日本の美って言葉、覚えた方がいいってこ・と」
語尾のリズムで夏成実の頭をぽんぽんと二回叩き、またすぐに前を向いてスマホをいじり出す。
悠李との話の切れ間、夏成実は不意に視線を感じて顔を向けると、右隣の那子と目が合った。ヤンキーと言われる那子と目が合って、一瞬ドキッとした夏成実だったが、睨むというよりどこか気まずい感じで、それは那子の方から逸らされた。
ちょうどそこに昼休みを告げるチャイムが鳴って、那子はどこへ行くのか、そそくさと教室を出て行く。その後ろ姿を見送るでもなく見送って、夏成実は小首を傾げた。