雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「それじゃあ、続きを中崎(なかざき)さん読んで」
寝ている穂香に気付いたらしい英語教師が言い、千咲希は慌てて穂香の背中をトントンと叩く。
「はっ、はひーっ」
寝ぼけていた穂香が奇妙な返事と共に勢いよく立ち上がり、教室は一瞬シンとして、どっと笑いが起こった。英語教師まで呆れつつも笑っている。
苦笑いしながら穂香がさりげなく教室を見渡すと、我関せずといった九条帆鷹(くじょうほだか)の横顔があった。その前の席に座る北浜新太なんて、腹を抱え大爆笑しているというのに、だ。
三枚目キャラの穂香にしてみれば、こんな時は笑われてナンボ。周りが笑ってくれれば、自分も笑って終れる。そんなお笑い芸人体質である穂香の心を帆鷹のポーカーフェイスが、バキッとへし折った。
寝ている穂香に気付いたらしい英語教師が言い、千咲希は慌てて穂香の背中をトントンと叩く。
「はっ、はひーっ」
寝ぼけていた穂香が奇妙な返事と共に勢いよく立ち上がり、教室は一瞬シンとして、どっと笑いが起こった。英語教師まで呆れつつも笑っている。
苦笑いしながら穂香がさりげなく教室を見渡すと、我関せずといった九条帆鷹(くじょうほだか)の横顔があった。その前の席に座る北浜新太なんて、腹を抱え大爆笑しているというのに、だ。
三枚目キャラの穂香にしてみれば、こんな時は笑われてナンボ。周りが笑ってくれれば、自分も笑って終れる。そんなお笑い芸人体質である穂香の心を帆鷹のポーカーフェイスが、バキッとへし折った。