雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「穂香、お待たせ。……っていうか、ムッとした顔してどうしたの?」
楽器を手にやって来た千咲希が、見るからにプンスカ状態の穂香に訊いた。
穂香がその理由を話そうとした時、ある人物の姿を見つけて、千咲希に耳打ちする。
「あれが前に話した高井田功だよ。背の高い野球部のルーキーと並んで歩いてる奴」
穂香の視線の先を千咲希も辿ると、低い身長はさておき、いかにも女子ウケしそうな顔立ちの男子がいた。その流れで隣の男子にも視線を移す。
――えっ!?
見覚えのある顔にとても似ていて、千咲希の心はさざめき立った。
――まさか……ね。そんな事あるわけない。
すぐにそう否定してみたものの、やっぱりどこか引っかかる。知らず知らずフリーズしていた千咲希に、穂香がからかいの眼差しを向けた。
楽器を手にやって来た千咲希が、見るからにプンスカ状態の穂香に訊いた。
穂香がその理由を話そうとした時、ある人物の姿を見つけて、千咲希に耳打ちする。
「あれが前に話した高井田功だよ。背の高い野球部のルーキーと並んで歩いてる奴」
穂香の視線の先を千咲希も辿ると、低い身長はさておき、いかにも女子ウケしそうな顔立ちの男子がいた。その流れで隣の男子にも視線を移す。
――えっ!?
見覚えのある顔にとても似ていて、千咲希の心はさざめき立った。
――まさか……ね。そんな事あるわけない。
すぐにそう否定してみたものの、やっぱりどこか引っかかる。知らず知らずフリーズしていた千咲希に、穂香がからかいの眼差しを向けた。