雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「だったら、何がどーなって、そういう事になるわけ!?」
「穂香の『嫌い』とか『ムカつくー』は、時に『好き』の裏返しだから……ね?」
伊達に穂香と長い付き合いをしているわけじゃない千咲希は、見透かした様な目で得意気に言う。そもそも穂香の「好き」はほとんど「嫌い」から始まるのだ。
本人は無自覚なのだが、千咲希は小学生の頃からその事に気付いていた。まして今回は、相手がどうでもいい人なら気にならない程度の事で、穂香はムカついている。そこになかなか気付けない鈍感な親友が、千咲希には歯がゆくも可愛くもあった。
一方、千咲希に痛いところを突かれ、肯定と否定が繰り返される穂香の脳内。
――アタシが九条を……好き!?……んなわけ、ナイナイ、ありえない。でも……。
「穂香の『嫌い』とか『ムカつくー』は、時に『好き』の裏返しだから……ね?」
伊達に穂香と長い付き合いをしているわけじゃない千咲希は、見透かした様な目で得意気に言う。そもそも穂香の「好き」はほとんど「嫌い」から始まるのだ。
本人は無自覚なのだが、千咲希は小学生の頃からその事に気付いていた。まして今回は、相手がどうでもいい人なら気にならない程度の事で、穂香はムカついている。そこになかなか気付けない鈍感な親友が、千咲希には歯がゆくも可愛くもあった。
一方、千咲希に痛いところを突かれ、肯定と否定が繰り返される穂香の脳内。
――アタシが九条を……好き!?……んなわけ、ナイナイ、ありえない。でも……。