隣に住むのは『ピー…』な上司
部下のウラ顔
同じ部署で働く白鳥 藍は、3年前から俺の下に付いている。
どちらかと言うと外回りの多い部署で、一人パソコン画面に向かうのが好きな社員だ。
「事務処理なら任せて下さい」
情報処理の資格を持っているらしく、確かにキーボード操作は速い。
入力ミスも少なければ、資料作成だってお手の物だ。
(しかし暗いんだよ……)
根暗…とか言うんじゃない。
雰囲気そのものが暗い。
陰があるという言い方が合ってる。
表向きは必死で明るく見せていても、気を抜くとそれがオモテ面だけだとわかる。
昨日の夜もそうだった。
メロンの袋を抱えて、暫く黙り込んでいた。
『実家ですか……』
さも浮かなそうな顔をしていた。
多量のメロンを食べろと手渡した俺もいけなかったのかもしれないが。
今日は朝から時々考え事をしている。
キーボード操作の音が度々止まるから直ぐにそれがわかる。
「アイ」
隣のデスクの木下が呼んだ。
『らん』という名前を読み間違えたのがキッカケで、今でもそれを通しているんだそうだ。
ボソボソ…と小声で言葉を交わし、木下は部署を出て行く。
「スーパーNへ行ってきまーす!」
こいつはホントに根明な女だ。
根暗な女と二人で、よく話が合うなと感心する。
「行ってらっしゃい」と、小さな高い声が聞こえた。
俺の席から直線距離で3メートル程離れたところに座る白鳥が木下に声をかけたんだ。
どちらかと言うと外回りの多い部署で、一人パソコン画面に向かうのが好きな社員だ。
「事務処理なら任せて下さい」
情報処理の資格を持っているらしく、確かにキーボード操作は速い。
入力ミスも少なければ、資料作成だってお手の物だ。
(しかし暗いんだよ……)
根暗…とか言うんじゃない。
雰囲気そのものが暗い。
陰があるという言い方が合ってる。
表向きは必死で明るく見せていても、気を抜くとそれがオモテ面だけだとわかる。
昨日の夜もそうだった。
メロンの袋を抱えて、暫く黙り込んでいた。
『実家ですか……』
さも浮かなそうな顔をしていた。
多量のメロンを食べろと手渡した俺もいけなかったのかもしれないが。
今日は朝から時々考え事をしている。
キーボード操作の音が度々止まるから直ぐにそれがわかる。
「アイ」
隣のデスクの木下が呼んだ。
『らん』という名前を読み間違えたのがキッカケで、今でもそれを通しているんだそうだ。
ボソボソ…と小声で言葉を交わし、木下は部署を出て行く。
「スーパーNへ行ってきまーす!」
こいつはホントに根明な女だ。
根暗な女と二人で、よく話が合うなと感心する。
「行ってらっしゃい」と、小さな高い声が聞こえた。
俺の席から直線距離で3メートル程離れたところに座る白鳥が木下に声をかけたんだ。