隣に住むのは『ピー…』な上司
トロン…とした目を向けて、白鳥藍が俺を見ている。


「可愛い女だな」


暗い雰囲気しか感じさせなかった頃とは違う。

今の彼女はこんなにも魅力的だ。



「さっさと仕事を済ませて帰るぞ」


今夜こそこの女を自分のものにするんだ。



「課長、ピーチちゃんは……」


娘が可愛がり過ぎて毛引きを始めたピーチを心配している。


「暫く間を置けば大丈夫だ。少しずつ飼い慣らしていけば、ピーチも「もな」に慣れる」



立ち上がりながら腕を持つ俺の言葉に頷いた。

オフィスからの帰り道、アウトレットモールにいた理由を話した。



「どうして三人で歩いてたの?」


俺は少し困ったような笑みを浮かべ、勿体ぶって教えた。


「君にピーチを預けて出張へ出かけた日、ゆうなにオフィスへ電話をさせたんだ。取引先の名前を使って藍のケイタイ番号を教えて貰えって」


「どうして!?課長が直接聞けばいいのに!」


「そう思うか?知れたら困るのは俺じゃなかった筈だぞ?」


「あっ……」


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