隣に住むのは『ピー…』な上司
勿体ぶった言い方で私の方へ寄ってきた課長はーーー
「それだっ!」
指を差して声を上げた。
ビクッと背筋を伸ばした瞬間、手の中で眠りに落ちていた小鳥はぱちっと目を開けて羽ばたいた。
「ピーチッ!」
呼ぶが早いか、課長の手は青い小鳥の体を優しく包み込んでいる。
「お前どこ行ってたんだよ〜。心配したぞー」
小鳥に頬ずりしてる。
「あ、あのぉ……」
これがあの『クール上司』の小日向 真史(こひなた まさふみ)?
オフィスでも滅多に笑わないと評判の男?
私のことを思い出したらしい人の目がこっちを向きました。
ボサボサの寝癖をつけたままのヘアスタイルで、頬には歯磨き粉を付けているままで。
首から赤くなっていく人の顔をまじまじと見たのは初めて。
その恥ずかしそうにはにかんだ顔をその後暫く思い出してしまう程に印象的でした……
「このことは内緒にしておけよ」
誰にも言うなと言い残して、課長は部屋の中へと戻っていった。
後に残った私はただただ呆然と立ち尽くしていて………
「何、あれ……」
思考が開始するまでに暫く時間がかかってしまった訳はーーー
「今のって本当に課長だったのよね?」
まるで女子みたいに小鳥に擦り寄っていた。
大事な宝物を探し当てたみたいに嬉しそうな顔をしていた。
「ビックリしたぁ……」
そう、全てはこの驚きが始まり。
『ピーチ』が好きな上司との距離が、急に縮まったような気がしました。
「それだっ!」
指を差して声を上げた。
ビクッと背筋を伸ばした瞬間、手の中で眠りに落ちていた小鳥はぱちっと目を開けて羽ばたいた。
「ピーチッ!」
呼ぶが早いか、課長の手は青い小鳥の体を優しく包み込んでいる。
「お前どこ行ってたんだよ〜。心配したぞー」
小鳥に頬ずりしてる。
「あ、あのぉ……」
これがあの『クール上司』の小日向 真史(こひなた まさふみ)?
オフィスでも滅多に笑わないと評判の男?
私のことを思い出したらしい人の目がこっちを向きました。
ボサボサの寝癖をつけたままのヘアスタイルで、頬には歯磨き粉を付けているままで。
首から赤くなっていく人の顔をまじまじと見たのは初めて。
その恥ずかしそうにはにかんだ顔をその後暫く思い出してしまう程に印象的でした……
「このことは内緒にしておけよ」
誰にも言うなと言い残して、課長は部屋の中へと戻っていった。
後に残った私はただただ呆然と立ち尽くしていて………
「何、あれ……」
思考が開始するまでに暫く時間がかかってしまった訳はーーー
「今のって本当に課長だったのよね?」
まるで女子みたいに小鳥に擦り寄っていた。
大事な宝物を探し当てたみたいに嬉しそうな顔をしていた。
「ビックリしたぁ……」
そう、全てはこの驚きが始まり。
『ピーチ』が好きな上司との距離が、急に縮まったような気がしました。