不思議な彼女と吃音な俺
あれは、俺が高校2年の時の話―。
なんとなく学校に行くのが嫌になり、俺はこの日、学校を休んだ。正確には学校の近くまでは行ったのだが、後5分ほど歩けば学校、というところで行くのをやめた。俺は特に宛てもなく、どこか時間を潰せるようなところがないか見渡しながら歩いていた。
しばらく歩いていると、小さな公園みたいな場所が目に留まった。歩き疲れたこともあり、俺はそこのベンチに腰をかけた。鞄の中から水筒を取り出し、水分を補給する。夏の陽射しが容赦なく降り注ぐ。自然と額に汗がにじみ出る。
「こんにちわ」
不意に視界の外から声がした。若い女性の声だ。俺が声のした方を見ると、そこには制服姿の女子高生が1人立っていた。ここらへんではあまり見かけない制服だ。年齢は俺と同い年くらいだろうか。非常に可愛い女の子だ。突然のことに、俺は返事できずにいた。彼女は俺のことなどお構いなしに続ける。
「ユウジくん、だよね?」
俺の名前を知っている。でも、俺は彼女の顔には見覚えがなかった。こんな可愛い子が友達にいたら忘れるわけがない。しかし、俺は彼女のことは知らない。当時の俺は彼女どころか、女友達さえいなく、異性とまともに話したことがなかった。そんな俺にこの展開はあまりに難易度が高すぎた。まったくもって喋れない。我ながら情けないかぎりだ。
なんとなく学校に行くのが嫌になり、俺はこの日、学校を休んだ。正確には学校の近くまでは行ったのだが、後5分ほど歩けば学校、というところで行くのをやめた。俺は特に宛てもなく、どこか時間を潰せるようなところがないか見渡しながら歩いていた。
しばらく歩いていると、小さな公園みたいな場所が目に留まった。歩き疲れたこともあり、俺はそこのベンチに腰をかけた。鞄の中から水筒を取り出し、水分を補給する。夏の陽射しが容赦なく降り注ぐ。自然と額に汗がにじみ出る。
「こんにちわ」
不意に視界の外から声がした。若い女性の声だ。俺が声のした方を見ると、そこには制服姿の女子高生が1人立っていた。ここらへんではあまり見かけない制服だ。年齢は俺と同い年くらいだろうか。非常に可愛い女の子だ。突然のことに、俺は返事できずにいた。彼女は俺のことなどお構いなしに続ける。
「ユウジくん、だよね?」
俺の名前を知っている。でも、俺は彼女の顔には見覚えがなかった。こんな可愛い子が友達にいたら忘れるわけがない。しかし、俺は彼女のことは知らない。当時の俺は彼女どころか、女友達さえいなく、異性とまともに話したことがなかった。そんな俺にこの展開はあまりに難易度が高すぎた。まったくもって喋れない。我ながら情けないかぎりだ。