オトシモノ
オトシモノ
いつもと変わらない放課後
職員室を出ると足早に教室へと向かった
この日はバイトだったから
机の上に置いたままの鞄を取ったらすぐ学校を出るつもりだったんだ
だけどこの日はいつもの放課後ではなかった
教室に入ると僕はすぐ『彼女』に気づいた
『彼女』とは、僕のクラスメイトで斜め前の席の女子のことだ
話したことは無い
何故かと聞かれたら...
うん?何故だろう
話すきっかけが無かったとも言えるしそもそも彼女に興味はない
学年の間では芸能人並の可愛さだとか噂になっているらしいが
正直それもどうでもいい
僕は他人がどうとかこうとか、そんなのに関心が持てない性格なんだ
普通の人間なんてつまらなすぎる
まぁそれは置いておき
僕の席の斜め前で立ったまま動こうとしない彼女は
泣いていた
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