君と僕
1章 〜セナの話〜
もう、何度目の朝が来ただろう?

いや、何度来たかなんてどうでもいい。

というより、まず数えてすらない。

暗く冷たい独房のような部屋でセナは焦点の定まらない目で格子窓の方を見ていた。

あと、何日すれば出られるのかな?

セナの目は、焦点こそ定まってはなかったが瞳の奥はまだ微かに希望を灯していた。

あと少し、我慢するんだ...

ギィィ

部屋のドアが開く音がする。

「時間だ。来い。」

また、恐怖の時間が始まる...
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