君がうたう七つの子
それから彼は、レイのお父さんは、話し出した。唐突に語りだした。

レイについて。レイの死について。

「私の娘はもう死んでしまってね。

さっきの様子を見ていた君には察しが付くと思うが、ここで死んでしまったんだよ。

溺死だった。

あの子はここが大好きで、何かあったらすぐにここにきて、今の君のように座っていた。

それが悪い事でも、良い事でも、なんでもない事でもね。

とにかくここに居続けた。

それは小さいころからそうで、成長して色々なところが変わっていっても、それだけは変わることはなかった。



最期の瞬間まで」

< 100 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop