君がうたう七つの子
その言葉に僕の中でひんやりしたものが流れる。

何を言うんだ。

何かの冗談だろうって、思いたいのに彼女の表情がそれを許さない。

彼女の言っていることを、僕は今一度彼女を見つめて確かめる。

「それって、学校が始まったら僕が会いに来なくなるかもしれないってことだよね

それが心配ってことなんだよね?」

そういう僕に静かに首を振る。

「じゃあ、レイがここにこれなくなるってこと?

それなら、僕がそこまで行く。たとえどんなところでも、毎日会いに行くよ」

冷静さなどもう消えて、必死に縋りつくように語りかける僕に、また静かに首を振る。

これではさっきと立場が逆じゃないか。

「じゃあ、どういう―――」

「消えるの。

いや、逝くべき所に逝く、のほうがあってるかな。

さっきお父さんも言ったでしょう。

”一区切り”って。その日が来たら、もうここにはいられない。

この世界に居られない

居ることもできるけど、そうしたら悪い方向にいっちゃうかもしれないから。

私は、ここには居られない」

混乱して何もかもがわからなくなった僕に、彼女が分かりやすく話してくれた。

わかりたくもない事だけど、そんなことは関係なく、僕は理解する。

今まで疑問に思っては、自分ですぐにそれを覆い隠して、気づかないふりをしていた。

それは

彼女はずっとここにいるのだろうか。

いつまでこうして過ごしていられるのか。

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