君がうたう七つの子
「お願い、待って。」
後ろから走ってきた彼女は真剣な目でこちらを見て、通せんぼするように両手をめいっぱい横に広げている。
僕はため息をつきたい衝動を抑えて、静かに右に移動する。
すると彼女もそれに合わせて移動する。
それから何度か左右に動いてみたものの相手も無言でついてくる。
彼女をそのまま通り抜ける手もあるけど、さっきのあの冷たさを感じるかもしれないと思うとあまりしたくない。
そう考えながらも更に右、左、右右と適当に動いてみる。
彼女も同じように右、左、右右と動く。
――素直にこちらの動きに連動する彼女を見ると、なんだか相手が幽霊だと警戒していた自分が馬鹿馬鹿しく思えてきた。
「なに、僕に何か用でもあるの。
ないのなら、今すぐにそこをどいてくれないかな。
さっきも言ったように、用事があるからさ」
せっかく先程我慢したため息とともに、僕は吐き出すように言葉を放った。
「あ、うん。そうなの君にお願いがあって。」
そんな僕とは対照的に真剣だった顔を緩めて、彼女は笑顔で言葉を続ける。
「とっても暇だからここに、私に会いに来てほしいの。
できれば毎日。」
後ろから走ってきた彼女は真剣な目でこちらを見て、通せんぼするように両手をめいっぱい横に広げている。
僕はため息をつきたい衝動を抑えて、静かに右に移動する。
すると彼女もそれに合わせて移動する。
それから何度か左右に動いてみたものの相手も無言でついてくる。
彼女をそのまま通り抜ける手もあるけど、さっきのあの冷たさを感じるかもしれないと思うとあまりしたくない。
そう考えながらも更に右、左、右右と適当に動いてみる。
彼女も同じように右、左、右右と動く。
――素直にこちらの動きに連動する彼女を見ると、なんだか相手が幽霊だと警戒していた自分が馬鹿馬鹿しく思えてきた。
「なに、僕に何か用でもあるの。
ないのなら、今すぐにそこをどいてくれないかな。
さっきも言ったように、用事があるからさ」
せっかく先程我慢したため息とともに、僕は吐き出すように言葉を放った。
「あ、うん。そうなの君にお願いがあって。」
そんな僕とは対照的に真剣だった顔を緩めて、彼女は笑顔で言葉を続ける。
「とっても暇だからここに、私に会いに来てほしいの。
できれば毎日。」