君がうたう七つの子
彼女の予言を思い出す。

”あなたは近いうちに、大切なことに気づくでしょう。

そして、自分の中に起こる変化も大きくなって無視できなくなります。

その時は・・・

その時はどうか、自分の感情に従ってまっすぐ走って下さい”

成る程成る程。

これはもう彼女を信じるしか、ないようだ。

確かにその通りになったのだからと、僕はスケッチブックを優しくなでる。

彼女からの後押しで、これからの行動は決まった。

自分で決めきれなかったことに女々しさを感じるが、ここは素直に彼女に感謝するとしよう。

とにかく、これで後は詳しい日数が分かればなんとかなりそうだけれど。

地元の新聞でも調べてみようか。

近くの図書館に行けばあるかもしれない。

時間はかかるけど、他に手もないし。

と、そこでまた振動音。

今度は手の中にある携帯電話を操作する。

送り主は――――やっぱりというか予言者の彼女だった。

『期限は五日後!』

そして最後に

『私の予言、当たるって言ったでしょう?』

まったくその通りだ。

君の予言はよく当たる。

だから、僕は言う通りに、でも最後は自分で決めて、迷わずまっすぐ走ることにしよう。

レイのもとへ―――
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