君がうたう七つの子
二人は僕が指し示した方向をただ見つめている。

その様子は、僕の言葉を信じているからに他ならない。

そのことに安堵しながらも、気を引き締めなおす。

「だから、今から彼女は決断します。

あなたたちと話をするか否か。

そして僕は今から、僕を捨てます。

もし、彼女が話をすれば僕はその通りにしゃべります。

一言一句。違えることなく。

でも、もしレイが何も言わずに去ることを選んだその時は―――

僕もここを無言で去ります。

僕の行動は彼女の行動。

どちらを選ぶかはレイ次第です。

レイの最期の決断と言ってもいいでしょう。

だからどうか、彼女の決断を信じて、受け入れてあげてください」

言うべきことを言い終わった僕は口を閉じる。

二人は小さくレイの名前を呼びながら、レイのいる方向を縋るように見つめ続けている。

僕も二人と同じようにレイを見つめる。

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