君がうたう七つの子
「それに、私に選べなんて・・・・

嘘つきね。

私には選ぶ権利なんて無い様なものじゃない」

うん。そうだよ。

レイには選択肢があるなんて大嘘だ。

僕がいま待っているのは、レイが選ぶことじゃない。

レイが話すことだけだ。

君には選択肢なんてない。

何故なら―――

「私がこのまま何も言わずに出ていけば、しょう君もそうする。

そして、それを見た二人は私が自分たちの事を憎んでいるのだと、恨んでいるのだと思うだろうね。

そんなことあるはずないのにさ」

その通り。

そして、そう二人に思わせることで、レイの言動を縛り付けた。

彼女に逃げ出すことなどもうできない。

だって、レイは二人にこれ以上傷つくことは望んでいない。

自分の不安な問題が、本人たちの口からはっきりと否定されたのだから、尚更だろう。

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