君がうたう七つの子
「ごめん。

お父さんとお母さんの気持ちを信じられなくて。

ごめんなさい。

―――親の気持ちは中々伝わらないものよって?

ふふ、そうかもしれないね。

でもそれは私からも言えることかな、なんて。

だって、私は露程も二人のせいだとは思っていないもん。

言葉って大事だね。

家族だからって甘えていたけど、やっぱり言わなきゃ伝わらない。わからない。

うん、だから今私が思っている事も、正直に言おうと思う。



私の事を、忘れないでねって。

死んじゃったけど、もう二人と抱き合うこともできないけれど、私はここにいたし、ここにいる。

その事を忘れないでほしいの。

もしかしたら二人にとっては辛いことかもしれないけど・・・

――――そっか。そこまで言われたら安心かな。

ほっとした」

そこまで途切れることなく続いていた言葉を止めて、レイは父親のほうを見つめる。
その瞳には涙が滲んでいて、声も途中から涙まじりのものになっていた。
< 156 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop